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会社にとって重要でない人材とは?

2017年12月13日

皆さんの周りには様々なタイプの人がいると思います。

・仕事のスピードは速いけれどミスが多い人
・仕事はすごく丁寧だけれど時間がかかる人
・指示されなくても自分で気づいて仕事を進められるがミスが多い人
・指示されたことしか出来ないけれどミスが無い人

どのタイプの社員にも一長一短ありますが、この中に会社にとって最も重要度が低いタイプはどのタイプでしょうか?

考える上でひとつの基準となるのは「コンピューターで代用できるかどうか」という点です。先ほどあげたタイプの中で「指示されたことしか出来ないけれどミスが無い人」が担当している業務は、コンピューターで代用できる可能性が高いのです。

コンピューターについてのエピソードとして、ある自治体で以前使われていた戸籍管理システムをご紹介します。このシステムは次のような設計をされていました。

・職員が名前と性別と出生日のデータを入力します。
・出生日から1年たったら自動的に年齢に1を加算します。
・死亡届が提出されたら、データの削除はせずに、死亡フラグを立てます。

その他に、データの修正を行う際に、おかしい情報が入力されたらアラートを出すように「人間」というものの特性についてプログラムしました。

・人間は性別が変わらない(当時のシステムでは戸籍上の性別変更は想定されていませんでした)
・苗字は変わる事がある(結婚/離婚/養子縁組など)
・名前も変わる事がある(裁判所が認めれば変更が可能)
・人間は一年で2歳以上歳をとったりすることはない

このシステムは上記の特性を完璧に理解しました。そしてこのシステムが稼働してしばらくしたある日、年金の不正受給が発覚しました。

すでに死亡しているにもかかわらず、年金を受け取り続けていたというものです。発覚時、年金受給者の年齢はシステム上150歳になっていました。

「人間がそんなに生きるわけがないだろう!」と。

もしコンピューターに感情があったとしたらこう思ったはずです。
「人間が150歳まで生きることが変だなんて聞いてないです。」

すぐにシステムは改修され、年齢が100歳を超えた場合は毎年アラートが画面に表示されるようになりました。コンピューターはこの命令を完璧に理解し、実行しました。

しかし、さらに1件の不正受給が発覚。今度は役所の担当者の故意によるデータ書き換えです。本来98歳のはずの父親の年齢を70歳と改ざんし、怪しまれずに年金を長く貰おうとしたのです。担当者は思わずコンピューターに言いました。

「人間が若返るはずがないだろう!」と。

コンピューターは思いました。
「私が聞いているのは人間が一年に2歳以上歳を取らないという事だけです。若返らないなんて聞いていません。」

このエピソードのように、コンピューターに対して完璧な指示さえ出来れば、完璧な仕事をしてくれます。言われた事は出来るけど、言われてない事は一切やりません・・という方がいらっしゃれば、その方の仕事はいずれコンピューターにとって代わられる事でしょう。しかしながら昨今、AI技術の急激な発達によって人間にしか出来なかった仕事がどんどん減ってきています。

AIは自ら考え、学び、指示されていない事でもこなせるようになりました。人間にしか出来ない事は何なのかをAIに教えて貰うような時代がもうすぐそこに来ているのかもしれません。

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